2017年07月18日
受信機
業界初のデジタル通信復調対応レシーバーとして大ヒットしたAR-DV1ですが、その特徴の一つとして、ファームウェアのアップデートによって機能がアップしていく、ということが挙げられます。AR-DV1が発売されたのは2015年9月でしたが、以降10回以上のファームウェアの更新が行われています。
AR-DV1のファームウェア・アップデートはお使いになる上で不都合の無い限り必須ではありませんが、バグ・フィックスや様々な改良が含まれますので、出来るだけ最新のファームに更新しておくことをお奨めします。AR-DV1にはPCからのリモート制御用のマイクロUSB端子が装備されていますが、ファームウェアの更新はSDカードを使って行います。AR-DV1で使用可能なSDカードは32GBまでのSDHCカード(FAT32フォーマットまたはクラスタサイズ64KBのFAT16フォーマット)または256MB以上のSDカード(FAT16フォーマットのみ)となっていますが、現在では小さな容量のSDカードを入手することがだんだん難しくなってきています。ファームウェアの更新にはAR-DV1に付属のSDカードを使用することをお奨めします。容量の大きなSDHCカードを使用されますと、AR-DV1がカードを認識するまでに時間がかかりますので、付属のSDカードにファームウェアのみを保存してご使用ください。尚、SDカードには相性がある場合があります。激安SDカードなどとして販売されている製品の中には本機で使用できない場合もありますのでご注意ください。
ファームウェア更新の際には、原則として、サーチ、スキャン・メモリ登録内容を引き継ぎますが、念のためSDカードにバックアップすることを推奨します。バックアップするには[F]キー+[●]キーでSDカード操作画面に入り、BACKUP SET->を選択して[ENT]キーを押し、バックアップしたい項目を選択します。注意していただきたいのは、バックアップの都度、同じファイル名で保存されますので、以前バックアップしていたファイルがそのSDカードにある場合、上書き保存してしまいます。以前バックアップしたファイルを残して新たなバックアップを取りたい場合は別のSDカードに保存する必要があります。
AR-DV1の最新ファームウェアはAR-DV1ファームウェア更新についてページに掲載されています。まずこちらのページに行き、最新ファームウェアをダウンロードします。ファームウェアはZIP圧縮されていますので、これを展開し、SDカードにコピーします。今回はこのSDカードを使って右の1510BファームウェアのAR-DV1をアップデートします。アップデートの際に注意していただきたいことは、ファームウェア更新動作中はAR-DV1の電源を切らないということと、SDカードを取り出さないという事です。状況によってはハードウェアにダメージを与え、動作しなくなる可能性があります。本原稿を書いている段階での最新ファームウェアは1702Dで、アナログ逆トーンスケルチを実装し、D-CRモード(デジタル簡易無線)のユーザーコード表示に対応したバージョンとなっています。尚、1512Aとそれ以前のファームウェアとで若干のデータフォーマットの変更があったため、1510Bから1702Dへのファームウェアのアップデートの際にはチャンネル情報、バンク情報、その他設定情報が消去されますので、バックアップを取っておくのは必須です。1510Bのバックアップファイルを1702Dで読み込むことは可能ですが、逆は不可となっています。
AR-DV1に電源を投入し、ファームウェアファイルを保存したSDカードをSDカードスロットに挿入します。しばらくすると、SDカードアイコンが 上図の黄色い矢印の所に現れます。この状態で[F]+[7]キー(ピンクの矢印)を押すとCONFIG 1/4画面が開きます。(上図右側)[▲](UP)キーを押してCONFIG 4/4ページに移動します。
CONFIG 4/4画面に入るとSYS.UPDATE SET->が選択されていますので、[ENT]キーを押すとFIRM UPDATE画面が開きます。目的のファームウェアが選択されているのを確認して[ENT]キーを押すとファームウェアの更新が始まります。SDカードに複数のファームウェアが保存されている場合は目的のファームウェアを[▲][▼]キーを使って選択した上で[ENT]キーを押してファームウェアを更新してください。
ファームウェアの更新が進行中は上図左側の写真のように、進行状況がディスプレーに表示されます。進行中はAR-DV1の電源を切らないでください。またSDカードを取り出さないようにご注意ください。更新が終了すると自動的に電源がオフになり、再起動します。再起動画面に新しいファームウェアのバージョンが表示されたら更新は成功です。万が一、電源がオフになったまま再起動しない場合は、電源プラグを抜いて1分以上経過後に、電源プラグを再度接続してVOL.ノブを押し電源を投入してください。
それでは新しいデジタル通信の世界をお楽しみください。